陶器製バレリーナ　合成樹脂でお直し！

Ｍ＆Ｉのブログをご覧いただきありがとうございます！
立春を迎え季節の変わり目となりました👹
今週は天気も不安定になるようなので寒暖差や気圧などの影響を受けやすい方は無理せずお過ごし下さいね

当社には日々、多種多様なご依頼があります
各カテゴリーの修理・修復の他にも修理技術を活かして劣化や色褪せをリペイントしたりマグカップを湯呑茶碗にするリメイクなどもおこなっています
Ｍ＆Ｉは”ものを再生させる会社”と、覚えていただけたら嬉しいです

このブログでは日々のご依頼品の修理を分かりやすく説明しながらbefore⇔afterの画像を掲載しご紹介しています
壊れてしまった物がお手元にある場合は仕上がりのイメージが付きやすいと思います
気になるカテゴリーがございましたら是非ご覧ください♪

さて、今回ご紹介する修理は「陶器の人形」です
陶器製品ですと修理方法は主に２つ↓↓↓
「金継ぎ」と「合成樹脂直し」です
金継ぎをご存知の方は多いと思いますが、お品物に金色のラインが入ります
どちらの技法が良いかはご依頼前にスタッフから説明がありますのでご要望によって決めることができます
今回はお人形ということもあり「合成樹脂直し」でお直しをしていきます

合成樹脂直しとは
1. 技法と対応品
2. 修理後の注意点
修理前の状態
作業内容
修理後
修理・修復なら『Ｍ＆Ｉ』へ

合成樹脂直しとは

技法と対応品

置物やお人形、観賞用美術品など合成樹脂を使用して直す修理方となります
修理跡が分からないぐらいキレイにお直しできます

修理後の注意点

普段使いをしていた食器類の場合、合成の樹脂を使用していますので口に触れる飲食での使用はできなくなります

修理前の状態

こちらがご紹介するお品物です↓↓↓

レースの衣装を纏った陶器製のバレリーナです✨
足元にあるパーツは折れてしまった腕です
折れてない方の腕にも凹凸がありますね
全体的に汚れが付いてしまっていますので併せて修理・修復を行います

ではここから修理工程をご紹介します
どんな仕上がりになるのか最後までご覧いただけたら嬉しいです↓↓↓

作業内容

まずは修理箇所をくまなくチェック！
陶器は破損した断面がザラザラしていてそのまま接着してもピタッと隙間なくくっついてはくれません
折れた腕を合わせてみてどのぐらい隙間が空くのか、足りない破片はあるのかどうかを確認します
できるだけ多くの情報をこの時に収集し修理工程を決めていきます
そしてもう１つ大切な作業は確実な接着と仕上がりのために修理箇所の埃や汚れ、油分を丁寧に除去することです
これで下準備は完了です！

次はいよいよ接着です
樹脂の厚みが出てしまうと微妙にサイズ感に差が出ますのでここは職人の感覚で調節します
少しでもズレてしまったらアウト！！
何度経験していてもとても緊張する瞬間です💦
無事接着ができたら断面の隙間に充填して削るという作業を繰り返し行います
削る工程では元々のラインを崩さないように細心の注意を払いながら進めていきます
進行具合はとてもスローですが、この慎重な作業が完成度を高めることに直結しています

接着が完了し不自然なところがないか確認してもまだ完成ではありません
ここまでは下地作りのようなものです
次に行うのは見た目の再現ですよ✨
お肌の色はさまざまございまして、、、
ピンク系、オレンジ系、ベージュ系など同じ色味になるように塗料を調合します
塗料は乾くと色が違って見える場合があるので何度も乾かして確認してからお品物に着色します
形を復元し同じ色を塗ることで、当社が目指す”壊れる前に戻ったかのような仕上がり”となります

最後に全体をチェックし違和感がないかいろいろな角度から確認して修理は終了です！