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陶器製傘立ての修理 合成樹脂でお直し

例年よりずいぶん早く花粉の飛散が確認され、既にムズムズする!という方もいらっしゃると
思います
日々の気温差もあり体調管理の難しさを感じますがどうぞ無理をせずにお過ごしくださいね🍵

さて当社「レストーレ」は様々なお品物を蘇らせている会社です
例えば色が褪せてしまったジオラマを塗り直して手に入れた当時の鮮やかな色に蘇らせたり
お気に入りのマグカップが割れてしまったら「金継ぎ・プラチナ継ぎ」という技法を使用して
ワンランクアップしたような輝きをもたらしたり✨壊れてしまった思い出のお品物を
何事もなかったかのようにキレイに元通りに復元したり・・・
壊れたり、劣化してしまっても元に戻す技術がレストーレにはあります

このブログではご依頼のあった修理・修復についてご紹介しています
今回はどのようなお品物の修理をするのか早速ご覧下さい

修理前の状態

こちらがお直しをするお品物です↓↓↓

これは陶器製の傘立てです
フチの部分が欠けてしまいました
しかもここだけではないのです↓↓↓

ヒビが入ってしまっています

上から下までヒビが入っているのが分かりますね
素敵な絵柄の傘立てがこのように壊れてしまったらとてもショックですよね
この悲しい気持ちが癒え、お客様に笑顔になってもらえるようにキレイにお直しをしたいと思います

陶器のお直しは「金継ぎ・プラチナ継ぎ」または「合成樹脂直し」という技法を使用します
このお直し方法は修理後の用途によって決めていきます
今回は合成樹脂直しでお直しをします

合成樹脂直しとは

適応素材

陶器や置物、観賞用美術品などのお直しに適しています
修理跡が分からないぐらいキレイに仕上がります

修理後の注意点

今回は該当しませんが修理をするお品物が普段使いの食器類の場合は合成の樹脂を
使用しますためお口に触れる飲食での使用はできなくなります
これまで通り普段使いをご希望でしたら天然の素材でお直しをする「金継ぎ・プラチナ継ぎ」
でのお直しをご提案します

では早速、修理開始です!
合成樹脂直しはどれ程の仕上がりになるのか是非最後までご覧下さい

作業内容

修理をするにあたりまずキレイにお掃除することから始まります
陶器が破損してしまうと原料である土がポロポロと落ちてきます
そのまま接着などを行ってもくっつきませんよね
そして同時に汚れや油分なども徹底的に除去し下処理をしておきます

修理箇所がキレイになりましたら接着!と言いたいところですが
ここでもワンクッションの工程を挟みます
先ほども申し上げた通りポロポロと原料が落ちることで破片をつけてもピタッと合わない
ことがほとんどです
ここでは事前に破片の接着角度や向きなどを確定させ仮止めをします
この工程を経ずに接着してしまうとわずかなズレが取り返しのつかないことに・・・
このひと手間が完成度を高めます

そしていよいよ接着です
仮止めをしたとはいえ1発勝負の作業が各箇所で続きます
この工程では接着をしたから安心というわけではなく接着した破片の隙間とひび割れ部分に
微量の樹脂を充填しながら元の形に合わせて削る作業を切り返し行います
集中力を要し地道な作業ですがここは完璧にコツコツと進めます

隙間が埋め終わると形は復元できた状態になります
しかし接着箇所やヒビ割れ部分は色や柄が途切れてしまっています
この部分には同じ色を調合して着色をします
画像でご覧になった通り、この傘立てのフチは1色ですが濃淡がありましたよね
そこを同じような雰囲気になるように全体を見ながら色を付けます
ひび割れ部分の絵柄のところはなじませるようにし内側の白も調合して塗り
違和感のないように仕上げます
どの工程も職人の感覚と経験が頼りです

では完成をご覧下さい

修理後

合成樹脂直しでお直しをした傘立てがこちらです↓↓↓

2ヵ所欠けていたフチの部分です
破片を接着した跡も残っていませんし、曲線が歪んだりズレている所もありませんね
色も自然に着色されています
そしてこちらがひび割れ部分です↓↓↓

上から下まで入っていたヒビが消えました

もちろん内側もしっかりと仕上がっていますよ✨

合成樹脂直しとレストーレの職人の技術でこのようにまるで壊れる前に戻ったかのような
完成度となります
壊れてしまっても蘇らせることができます
このことを1人でも多くの方に知っていただけたら嬉しいです

修理・修復なら『レストーレ』へ

皆さんの身の回りにはお気に入りのものがたくさんあると思います
愛用している食器や旅先で出会った思い出の品、お気に入りの家具やひとめぼれしたお品物
たくさんの大切なものがありますよね

しかしものは意図せず壊れてしまうことがあります
それはとても悲しい出来事であり、同じようなものを買い替えれば済むということで解決できない
気持ちが残りますよね

そのようなときにご自身で接着して直した経験もあるかもしれません
または壊れたまま手元に残しておいている方もいますよね

このブログを通して壊れてしまってもお直しができるということを知っていただけたと
思います
お困りのことがございましたらお話だけでも聞かせていただけませんか?

レストーレへのお問合せは電話やメール、LINEをご用意しております
遠方の方でも梱包していただければ全国どこからでもご依頼可能です
壊れたものも、悲しい気持ちもそのままにしないで下さい

スタッフ一同、いつでもお待ちしております