ワイングラスの陶器プレート　合成樹脂でお直し

Ｍ＆Ｉのブログをご覧いただきありがとうございます

お酒が好きな方はそのお酒の種類に合ったお気に入りのグラスをお使いかと思います
これで飲むとひと味違う！と気分も良くなるのではないでしょうか

本日はワインを飲むときに欠かせない「ワイングラス」の修理をご紹介します
ワイングラスはとても種類がありますよね
形の違いや葡萄の産地によっても変わりますし赤ワインと白ワインでも・・・
ワインは奥が深く飲み口の広さで味が変わるそうです🍷

そしてワイングラスはパーツによって呼び名がついています
今回は「プレート(土台)」のお直しになります

修理前の状態

こちらが今回ご紹介するワイングラスです
ワイングラスというと全体がガラス製のものを想像すると思いますが↓↓↓


プレート(土台)が陶器でできた珍しいワイングラスです！
とっても素敵ですね！
きっとご依頼主様はこのワイングラスがキレイに直って戻ってくるのを心待ちにしているのでは？！と感じるお品物です

では早速お直しをしましょう！

まずは陶器のお直し方法です
主に２種類ございまして「合成樹脂直し」か「金継ぎ・プラチナ継ぎ」です
このお直し方法は修理後の用途によってご依頼の際に選択できます

今回は合成樹脂直しでお直しをします

合成樹脂直しとは

適応素材・技法

陶器や置物、お人形、観賞用美術品に合成樹脂を使用して直す修理法です
修理跡が分からないぐらいキレイにお直しできます

修理後の注意点

普段使いの食器類の場合は合成樹脂を使用しますのでお口に触れるような飲食での使用はできなくなります
引き続き飲食での使用をご希望の場合は「金継ぎ・プラチナ継ぎ」をおすすめしています

作業内容

モノは都合よくキレイには壊れてくれませんよね
このように破片を合わせてみると↓↓↓

ご覧のように隙間が空くことが予想されます
陶器ということもあり破損した際に細かい破片が飛び散りなくなってしまいますのでキレイにピタッとはくっつきません

まずは破片１つ１つの断面をよく観察しどのような割れ方なのか更に入っているヒビはないか見逃さずにチェックします
断面が複雑な形状になっている場合は接着面が均等になるように削ることもございます
こうして情報収集することでより完璧な今後の工程を組むことができます
そして破片をキレイにお掃除✨
埃や汚れ、油分などを丁寧に除去します

次は破片を貼り合わせてどの位置なのか、どの角度なのかを最終確認です
そしていよいよ接着です
この工程が１番神経を尖らせます💦
なぜなら少しでもズレてしまったらアウトだからです
少しと言っても１ミリ以下の世界です
このお品物には絵柄があるのでわずかなズレでもかなり目立つことでしょう💦
集中力はもちろん高い技術も必要ですし、心のコンディションも整えないと取りかかれません

無事接着が終わるとつなぎ目の隙間を埋めて削っていく作業を繰り返してプレートの形に合わせて成形します
ここまでが下地作りとなります
接着跡を残さないということは、完璧な接着と成形が求められます

最後の工程は着色と質感の再現です
色はとても難しい材料です
塗ったときと乾いた後では色が違ってしまったり、見た目に同じ色が作れたとしても艶を出すための溶剤を重ねると見え方が変わってしまったりと一筋縄ではいきません

ここは焦らないことが１番！
時間をかけて確実に調合して色柄を再現します

お品物１つに何段階もの工程と時間がかかりますが
やはり”キレイにお直しをして喜んでいただきたい”と思うと職人魂に火が付きます(笑)

さて気になる仕上がりは？！
完成がこちらです↓↓↓

修理後

色柄も違和感がなくつながり修理跡も目立ちません
これからもご依頼主様と豊かな時間を過ごしてくれることでしょう🍷

キレイに仕上がりようやくホッとひと安心です✨

修理・修復なら『Ｍ＆Ｉ』へ

このブログを読んでモノは壊れてしまっても再生できることを１人でも多くの方に知っていただけたら嬉しいです
当社ではどのような素材の修理も壊れる前に戻ったかのような仕上がりを目指して修理を行っています
壊れたもののお直しだけではなく、修理技術を活かして時間と共に色褪せしたお品物の色の塗り直しをする”リペイント”や
取っ手を除去してマグカップを湯呑茶碗に変えるなどの”リメイク”も行っています

どなたでもお手元にあるものは思い入れも愛着もある大切なものです
それが意図せず壊れてしまうこともありますよね
とてもショックな時間が始まります
Ｍ＆Ｉはお品物だけではなくそのお品物を大切になさってきたご依頼人様のお気持ちも一緒にお預かりします
キレイにお直しをすることで笑顔に変えたい！！そう思いながらお品物と向き合ってきました
職人たちは素材の性質を熟知しており技術も高いことはもちろんですが”絶対にキレイに直す！”という情熱をもって取り組んでいます

壊れたままになっているものはありませんか？
悲しい気持ちを終わりにしませんか？
お直しができればまたそのお品物との思い出を続けることができますよ

Ｍ＆Ｉへのお問い合わせは電話やメール、LINEをご用意しております
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