九谷焼の赤鬼 合成樹脂でお直し
こんにちはM&Iです!
早速♪
ご覧ください!この筋骨隆々とした勇ましい鬼の姿!
本日ご紹介する修理はこの「九谷焼の赤鬼」です
九谷焼は聞いたことがある方も多いと思いますが、詳しくは分からないという方にマメ知識↓↓↓
九谷焼とは
彩色美で知られる九谷焼
石川県南部の陶石の産地であった久谷村で作られた陶磁器ですが、その独特な画風が”ジャパンクタニ”として世界的にも有名です
赤を使わない”青久谷”や赤絵に金彩の”赤久谷”など、使用する色彩によって呼び名が付いているんですよ♪
途中100年もの間、歴史が途絶えてしまうのですが再興しました
再興する前の物は「古九谷」と呼ばれ陶器製品というより美術品として高く評価されています
現在も様々な作風を表現しながら進化を続ける日本を代表する陶磁器です
ちなみに。。。
こちらの赤鬼は有名な作家さん2名による限定8点のコラボ作品です。
背中の干支で制作年度が分かるようになっているんですよ♪
ご依頼品にはネズミが描かれていますね🐭
フィギュアが九谷焼になるなんて!!!と当時は驚きましたが、まさかお目にかかれるとは思いませんでした!
では早速修理をしていきましょう!
修理前の状態
修理箇所はこちらです↓↓↓
脇腹に多数のヒビが入っています
力が加わったら割れてしまいそうですね💦
陶器製品の修理方法は主に2種類あります
「金継ぎ」か「合成樹脂直し」です
この修理方法はご相談の際に選ぶことができます
それぞれに仕上がりの違いがございますのでスタッフより説明を受けてお好きな方に決めてることができます
今回は合成樹脂直しという修理方法でお直しをします
どんな仕上がりになるかどうぞお楽しみに♪
合成樹脂直しとは
対象品・技法
置物やお人形、観賞用美術品に合成樹脂を使用し修理をする方法です
修理跡が分からないぐらいキレイに仕上げられます
修理後の注意点
お直しをするものが普段使いの食器類の場合、合成の樹脂を使用しますのでお口に触れる飲食でのご使用はできなくなります
引き続き飲食での使用をご希望の場合は「金継ぎ」でのお直しをおすすめしています
作業内容
陶器製品にヒビが入る理由は2つです
窯での焼成時に表面に入る場合と、衝撃によるものです
今回は力が加わったことによるヒビですが、置物の場合は中が空洞になっていることが多いため慎重に作業をしていきます
触ってみてどのぐらいの深さまでヒビが入っているのかを見極めていき、押してみて動くようでしたら内側まで破損していることになるのでその部分をあえて壊して破片を組み立て直すこともございます
表面だけを繋ぎ合わせても弱いままなので修理後も破損が続いてしまうためです
この鬼さんは幸い深くないヒビでしたが決して簡単に修理が終わるわけではありません
まずは破損箇所の下処理をします
陶器の性質上、破損したところはポロポロと取れてくる場合があります
これを除去しておかないとしっかりとした接着ができません
そして埃や汚れ、油分なども徹底的に除去します
次はヒビ割れの深部に樹脂が届くようにように状態を見ながら削っていきます
破損した部分というのは隣り合った破片同士の境目に隙間が空いて弱くなっているということなので、ひび割れをしっかり埋めることは強度を高くできるということです
樹脂で隙間を埋めながら接着し、形を損なわないように削る作業を繰り返し行っていきます
破損部分がしっかりと接着され形を復元すると次は着色です
赤い色だからといっても単純に赤を塗ればいいというわけではありません
「赤」という色は世の中に何種類も存在しておりメーカーや国によっても全然違いますし、顔料などの場合は1色でも濃淡が出やすいです
しかも今回のこの鬼さんのように表面がツヤツヤしていると同じ色を作って塗ってもこのツヤツヤの保護剤を重ねることによって違った赤になってしまうこともありますので調合をして乾かして、本体と照らし合わせ、また微調整をして、という工程を繰り返しています
ここまで慎重になる理由は完璧な再現を目指しているからです
やはりこのお品物を当社にお預けいただいたご依頼人様に、キレイに直った!と喜んでいただきたいので自然と職人たちも修理に熱が入ります
さて、М&Iの職人たちの手によって修理された赤鬼さんの仕上がりはどうなったでしょうか?↓↓↓
修理後
修理が終わった赤鬼さんがこちらです↓↓↓
フォルムを崩さずヒビも消え、キレイに仕上がりましたね✨
これでご依頼人様も喜んで下さるかな?と、思うだけで嬉しくなります
修理・修復なら『М&I』へ
ものが壊れてしまったり、パーツがなくなってしまったり、色が褪せてしまったり、、、
大切にしていても予期せぬことって起きますよね
だからと言って処分することも簡単なことではありません
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このブログでは各カテゴリーの修理のbefore⇔afterの画像を掲載していますのでどのような仕上がりになるかご覧いただけますよ
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