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金継ぎできないものって?具体例やその理由を解説

お気に入りの器が割れたり欠けたりしたとき、日本の伝統的な修復技術である「金継ぎ(きんつぎ)」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。最近ではDIYキットも人気で、自分で大切な食器を修理する人が増えています。

しかし、実は「どんなものでも金継ぎで直せるわけではない」ということをご存じでしょうか?

素材や用途によっては、金継ぎをすることでかえって危険になったり、うまく接着できなかったりするケースがあります。この記事では、「金継ぎできないもの」の具体例とその理由、さらに金継ぎができない場合の代替の修復方法まで分かりやすく解説します。


金継ぎとは?

金継ぎとは、割れたり欠けたりした陶磁器を「漆(うるし)」で接着し、継ぎ目を金などの粉で装飾して仕上げる、日本古来の伝統的な修復技法です。

単に壊れたものを元通りにするだけでなく、傷跡を「景色(味わい)」として美しく生まれ変わらせるという、独特の美学を持っています。

本来の伝統的な金継ぎ(本金継ぎ)は、天然の漆と小麦粉や木粉などを混ぜた自然由来の接着剤を使用するため、修復後も安心して食器として使えるのが大きなメリットです。


金継ぎできないものは?

万能に見える金継ぎですが、素材の性質や使用時の熱、強度の問題から、修復に向かないもの(またはできないもの)が存在します。代表的な5つの具体例を見ていきましょう。

1. 直火・オーブン・電子レンジで使用するもの

金継ぎで最も重要な接着剤となる「漆」は、熱に弱いという特性を持っています。

  • 土鍋やグラタン皿など
  • 電子レンジ加熱を前提とした器

これらを金継ぎすると、直火や電子レンジの熱によって漆が劣化・分解し、せっかく接着した部分が剥がれてしまいます。また、電子レンジのマイクロ波が金継ぎの「金属粉(金や銀)」に反応して火花が散り、器が割れたり火災の原因になったりするため非常に危険です。

2. ガラス製品(特に耐熱ガラスや薄手のもの)

ガラスも金継ぎが難しい、あるいはできない素材の筆頭です。

漆はツルツルとした平滑な面には定着しにくいため、ガラスの割れ面にはうまく接着しません。また、ガラスは光を通すため、裏側の茶色い漆が透けて見えてしまい、見た目も美しく仕上げるのが困難です。

難しいガラスの金継ぎですが、修復例もございますので一度レストーレにご相談ください!

実際にレストーレで手がけたガラスのコップの金継ぎ修復例


実際にレストーレで手がけたガラスのランプの金継ぎ修復例

3. 吸水性の高すぎる素材(木製・竹製・素焼きなど)

漆は適度な水分と油分を吸収して硬化しますが、素材自体が水分を吸いすぎるものは要注意です。

  • 未塗装の木や竹
  • 素焼きの器(テラコッタなど)

これらの素材に漆を塗ると、接着面に漆が留まらず、素材の奥深くまで染み込んでしまいます。結果として接着に必要な厚みが足りなくなり、十分な強度が出ずに外れてしまう原因になります。

4. 柔軟性のある素材(プラスチック・シリコン・木製品の一部)

金継ぎで硬化した漆は、完全に固まるとカチカチになり、柔軟性がほとんどありません。

  • プラスチック製品
  • シリコンやゴム製品

これらの素材は、日常で使う際にわずかに「しなり(変形)」が生じます。素材が曲がろうとするのに対し、硬い漆の接着面はついていけないため、パキッと簡単に剥がれてしまいます。

5. 負荷がかかりすぎる部位や、細すぎる破片

素材自体は陶器であっても、壊れた「部位」によっては金継ぎができない(実用に耐えない)場合があります。

  • マグカップや急須の「持ち手(ハンドル)」
  • 細かく粉砕されてしまった破片

持ち手は、飲み物の重さがダイレクトにかかる「最も負荷がかかる部分」です。金継ぎの接着力だけでは、使用中に突然取れて中身がこぼれる危険性があります。また、粉々になったミリ単位の破片を漆で繋ぎ合わせるのも、強度の観点から不可能です。


金継ぎできないものの修復方法は?

では、上記のように「金継ぎできないもの」をどうしても直したい場合はどうすればよいのでしょうか。用途や素材に合わせた、金継ぎ以外の修理・修復方法をご紹介します。

合成樹脂系接着剤やパテを使う(観賞用)

実用(食器としての使用)を諦め、インテリアや思い出の品として残したい場合は、市販の強固なエポキシ系接着剤やコンクリートパテなどを使ったDIY修理が可能です。

高い強度で固定できるため、ガラス製品やプラスチック、負荷のかかる持ち手部分もしっかり接着できます。ただし、これらは化学物質を含んでいるため、口に触れる食器としての再利用は避けてください。

耐熱エポキシ樹脂での修理(一部の食器)

食器として使いたいけれど伝統的な金継ぎができない場合、食品衛生法に適合した「耐熱性のある硬質エポキシ樹脂」を使用する方法があります。

これにより、ある程度の熱や強度の問題をクリアして修理できる場合がありますが、専門的な知識と技術が必要になるため、個人でのDIYは注意が必要です。

専門の修理業者(レストーレなど)に相談する

「これは金継ぎできる?できない?」と自分で判断がつかない大切な宝物は、プロの修復家に相談するのが一番の近道であり安心です。素材に応じた最適な処理と高度な技術で、あきらめかけていた思い出の品を美しく蘇らせてくれます。


金継ぎできないものについて

今回は、金継ぎできないものの具体例とその理由、そして代替の修復方法について解説しました。

金継ぎは素晴らしい日本の伝統文化ですが、「熱に弱い」「ツルツルした面やしなる素材には接着しにくい」「強度の限界がある」という注意点があります。無理にDIYで金継ぎをしようとすると、大切な器を完全に破損させてしまったり、使用中に怪我をしたりするリスクもあるため、見極めがとても重要です。

大切な器の修復なら「レストーレ」にお任せください

「お気に入りのマグカップの持ち手が割れてしまった」
「ガラスの器だけど、どうしても直して使いたい」
「自分で金継ぎキットを買ったけれど、失敗するのが怖い」

そんなときは、高度な修復技術を持つ「レストーレ」にぜひご相談ください。

レストーレでは、伝統的な本金継ぎはもちろん、素材やお客様の用途(日常使いしたい、飾っておきたいなど)に合わせた最適な修復プランをご提案いたします。自分では修理が難しいガラス製品や、強度の必要な部位のトラブルにも、専門の職人が一本一本丁寧に寄り添い、再び命を吹き込みます。

あきらめて捨てる前に、まずは一度お気軽にお問い合わせください。あなたの大切な思い出を、次の世代へと繋ぐお手伝いをいたします。

「レストーレ」は株式会社M&Iが運営する修復専門店です。2006年創業で東京都世田谷区のウルトラマン商店街に店舗を構えており、日本全国から多数のご依頼を頂戴しております。


レストーレでは単に修理の技術だけでなくお客様のお品への想いを受け止めて作業することを重視しています。近年ではTBS「back stage」や「冒険少年」、日本テレビの「news 「every」や「ヒルナンデス」でもその高い技術が紹介されました。

レストーレではそれぞれのお客様のご要望に適したサービスを提案しており、お品への保険やお品の安全な保管、配送時の梱包の工夫、お品物への保証などサービスの充実に力を入れています。