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熊手のお面 修繕

クイックリペアで復元しました

今回は、熊手に飾られている縁起物の「お面」修理のご依頼を承りました。真っ赤な頭巾に福々しい笑顔、そしてふっくらとした頬が特徴の、思わず見ているだけでほっこりするような愛らしいお顔立ちのお面です。

熊手のお面は、神社や酉の市などで縁起物の熊手に取り付けられ、1年間ご自宅やお仕事場を見守ってくれる大切なお守りです。福々しい笑顔にはたくさんの福を招くという意味が込められているそうで、飾っている間、ずっとお客様を見守り続けてくれたお品物だと思うと、こちらまで感慨深い気持ちになります。壊れてしまっても諦めずに直して、これからも大切に飾っていただきたいですよね。

今回は、形状の復元をメインとした「クイックリペア」という修理方法で対応させていただきました。修理の様子や、どのように跡が残るのかを分かりやすくご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

修理前の状態

お預かりした際のお品物はこちらです。

頭巾部分と顔の中心、そして頬の丸みのあるパーツがそれぞれバラバラに割れてしまっており、さらに縁の部分には細かい欠片も複数散らばっている状態でした。

落としてしまった際の衝撃が強かったのか、割れ方も複雑でパーツ数が多く、パズルのように一つひとつの組み合わせを見極めながら修理を進める必要がある状態でした。特に頬から顎にかけての丸みのある部分は、細かい欠片が入り組んでおり、どこにどのパーツが収まるのか、まずはすべての破片を一つひとつ確認するところから作業がスタートしました。

お客様からは「商売繁盛の思いを込め夫が毎年熊手を購入しているもの。すごく大切にしていたものなので、、、どうにか直せないでしょうか」というお言葉をいただきました。長年見守ってくれたお品物への愛着が伝わってくる、とても温かいご依頼でした。

クイックリペアとは

飾り物の修理方法には、大きく分けて2種類の技法がございます。一つは、修理跡がほとんどわからないほど精巧に仕上げる「マイスターリペア」。もう一つは、形状の復元をメインの目的とし、接合ラインがしっかりと残る「クイックリペア」です。

今回はお客様のご要望とご予算に合わせて「クイックリペア」をご選択いただきました。マイスターリペアに比べて短期間・低コストで修理ができる点が大きなメリットです。

作業内容

まずは割れてしまった各パーツの断面を丁寧に清掃していきます。目に見えない汚れやほこりもしっかりと取り除き、パーツ同士が正確に噛み合うよう下準備を行いました。

次に、パーツ同士の位置関係を一つひとつ確認しながら接着していきます。頭巾のカーブや頬のふくらみなど立体的な形状のお品物のため、わずかなズレでも表情全体の雰囲気が変わってしまう、大変緊張する作業です。細かい欠片も見逃さないよう慎重に組み合わせ、できる限り元の形に近づけていきます。

接着がすべて終わったら、次は欠けてしまった部分やヒビの隙間にパテを充填していきます。「クイックリペア」では形状の安定を優先するため、必要最低限の箇所にしっかりとパテを詰めていきました。

色合わせのこだわり

最後に、周辺の色味に合わせて着色を行います。今回のお面は赤い頭巾、ピンクの頬、金と水色の装飾ラインなど使用されている色数が多く、それぞれの色調を見極めながら丁寧に塗り重ねていきました。色は本当に繊細な材料で、同じ「赤」でも光の当たり方や乾燥後の色味の変化によって印象が大きく変わってしまいます。何度も見比べながら、違和感のない仕上がりを目指して作業を進めました。

金の装飾ラインは、色合わせが特に難しい繊細な部分です。金の色味だけでなく、粒子の大きさによって見え方が変わってきます。元の金をできるかぎり再現できるよう、集中して仕上げていきました。

修理後

無事に修理が完了しました!バラバラだったパーツがしっかりと組み上がり、あの福々しい笑顔もしっかりと蘇りました。

「クイックリペア」のため、接合のラインが確認できますが、形状はしっかりと安定しており、これまで通り飾ってお使いいただけます。

1年間ご家庭やお仕事場を見守ってくれる大切なお守りが、また元の場所に戻れることを職人一同嬉しく思います。お渡しの際、お客様からも大変お喜びいただき、私たちにとってもかけがえのない時間となりました。

当社では今回のように仕上がりの跡が残る修理方法についても、事前にしっかりとご説明した上で作業を進めておりますので、安心してご依頼いただけます。「跡が残ってもいいから、とにかく元の形に戻したい」というご要望にも、しっかりお応えできる修理方法のひとつです。

修理・修復なら『レストーレ』

レストーレではマグカップをはじめ、陶器や建材、アンティーク家具、美術品など様々なジャンルの修理・修復に対応しております。

飾り物の修理方法には、今回ご紹介した接合ラインがしっかりと残る「クイックリペア」と、修理跡がほぼわからないほど精巧に仕上げる「マイスターリペア」の2種類がございます。ご予算やご要望に応じて最適な修理方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

見積もりは無料で、お問い合わせフォームやメール、お電話、LINEからのご相談を受け付けております。皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。