
【初心者でも簡単】金継ぎのやり方をわかりやすく解説!必要な道具や失敗しないコツも紹介
金継ぎ(きんつぎ)とは、割れたり欠けたりした陶磁器を漆で接着し、金などの金属粉で装飾する、日本の伝統的な修復技法です。
壊れてしまった大切な器も、金継ぎを施すことで「景色」と呼ばれる新たな美しさを持つ芸術品へと生まれ変わります。
「金継ぎに興味があるけど、難しそう…」
「自分でも家でできるのかな?」
そんな方のために、この記事では金継ぎの基本的なやり方やキレイに仕上げるコツ、必要な道具を、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
本漆を使った本格的な手順だけでなく、手軽にできる簡易金継ぎについても触れていますので、ぜひ最後まで読んでお気に入りの器の修復に挑戦してみてくださいね!

金継ぎとは?魅力と歴史・種類を解説
金継ぎは、割れた陶磁器を漆で接着し、金粉などで装飾することで、新たな価値を生み出す修復技法です。
単なる修理にとどまらず、破損した傷跡を隠すのではなく「器の個性(景色)」として美しく引き立てる点に、日本独自の美意識(わび・さび)が表れています。
金継ぎの歴史
金継ぎの起源は、室町時代中期に遡ると言われています。
当時、茶道の文化が発展する中で、高価で貴重な茶碗を修復するために漆が使われるようになり、その修復跡をより美しく見せるために金粉で装飾したのが始まりとされています。
金継ぎの種類(本金継ぎ・銀継ぎ・錫継ぎ)
仕上げに使用する金属粉の種類によって、呼び名や雰囲気が変わります。
- 本金継ぎ:純金粉を用いた、最も格式高く華やかな技法。
- 銀継ぎ:銀粉を用いた技法。落ち着いたシックな仕上がりになります。
- 錫(すず)継ぎ:錫粉を用いた技法。銀に似た上品な輝きがあり、普段使いの器によく合います。

金継ぎに必要な材料・道具一覧
本格的な「本金継ぎ(本漆)」を行う際に必要な基本的な材料と道具です。揃えるのが大変な場合は、後述する「金継ぎキット」の利用もおすすめです。
主な材料
- 生漆(きうるし):天然の漆。木固めや下地に使用します。
- 精製漆(黒漆・弁柄漆など):仕上げや金粉を蒔く直前に使用します。初心者の方は精製漆が扱いやすいです。
- 金粉・銀粉・錫粉:最後の装飾(蒔絵)に用います。
- 小麦粉(強力粉):生漆と混ぜて「麦漆(接着剤)」を作ります。
- 砥之粉(とのこ):生漆と混ぜて「刻み漆」や「錆漆(凹み埋め用パテ)」を作ります。
- テレピン油(または燈油):漆の粘度調整や、筆・道具を洗浄する際に使用します。
- エポキシ接着剤:(簡易金継ぎを行う場合)漆の代用品として手軽に使用できます。
主な道具
- 筆・面相筆:漆を塗ったり、金粉を塗布したりする際に使用します。
- ヘラ(プラスチックや竹製):漆を混ぜたり、パテを付けたりする際に使用します。
- 竹串:細かい部分の作業や削り取りに使用します。
- マスキングテープ:接着する部分を固定したり、塗布範囲を保護したりします。
- 紙やすり・耐水ペーパー:継ぎ目や表面を研磨して平らに整えます。
- ゴム手袋・マスク:漆による肌荒れ(かぶれ)や、粉塵の吸い込みを防ぐために必ず着用します。
【初心者向け】金継ぎの基本的なやり方・4ステップ
ここでは、最も基本的な「割れた器」を金継ぎで修復するやり方を4つのステップでご紹介します。
ステップ1:断面の下地処理と破片の接着
まず器の断面に生漆を吸わせる「木固め」を行い、乾かします。その後、生漆と小麦粉を混ぜ合わせた「麦漆(むぎうるし)」を接着剤として塗り、破片同士をズレがないように合わせます。
マスキングテープなどでしっかり固定し、完全に接着・乾燥するまで数日間〜1週間ほど待ちます。

ステップ2:継ぎ目の凹みを埋めて研磨する
接着面にできた微細な隙間や欠けを、生漆と砥之粉を混ぜた「錆漆(さびうるし)」で埋めます。
十分に乾燥させた後、耐水ペーパー(紙やすり)に水をつけて丁寧に研磨し、段差がなくなるよう表面を平らに整えます。

ステップ3:漆を塗り、金粉を蒔く(蒔絵)
継ぎ目の上に、細い筆で均一に精製漆(絵留め用の漆)を薄く塗ります。
漆が半乾きの状態(粘り気が出たタイミング)になったら、あしらい鯛や真綿などを使い、上から優しく金粉(または銀粉・錫粉)を蒔いて着色していきます。

ステップ4:固めと仕上げの磨き上げ
金粉が定着したら、余分な金粉を筆で優しく払い落とします。さらに上から薄く生漆を塗って固め(固め漆)、完全に乾燥させます。
最後に、研磨剤や鯛の歯などを使って金粉の表面を丁寧に磨き上げることで、美しい輝きが生まれ完成となります。

失敗しない!金継ぎを綺麗に仕上げる4つのコツ
金継ぎを美しく、長く使えるように仕上げるための重要なポイントです。
- 漆は「とにかく薄く」塗る:漆を分厚く塗りすぎると、表面だけが乾いて中が乾燥しなかったり、しわやひび割れの原因になります。
- 乾燥工程は焦らず十分に行う:漆は温度20〜25℃・湿度70〜80%程度の環境で時間をかけて固まります。焦らずしっかり乾燥させましょう。
- 研磨(削り)の作業を丁寧に:金粉を蒔く前の段階で、指で触って段差を感じないくらい滑らかに研磨しておくことが、美しいラインを作るコツです。
- 金粉は少しずつ慎重に蒔く:一度に大量の金粉をのせるとムラになりやすいので、様子を見ながら少しずつ蒔いていきましょう。
金継ぎ作業時の注意点(かぶれ対策など)
金継ぎを安全に楽しむために、以下の注意点を必ず守りましょう。
- 漆のかぶれ対策:本漆に含まれる「ウルシオール」は皮膚に付着するとかぶれを引き起こします。作業時は必ず長袖を着用し、ゴム手袋をはめましょう。万が一皮膚についた場合は、すぐに油(サラダ油等)で拭き取ってから石鹸で洗い流してください。
- 作業部屋の換気:テレピン油などの溶剤や粉塵を使用するため、換気の良い部屋で作業を行ってください。
- 保管場所:漆や材料は、直射日光や高温多湿を避けた安全な場所で保管しましょう。
初心者が手軽に試せる「金継ぎキット」もおすすめ
「道具を1つずつ揃えるのが大変」「もっと手軽に挑戦したい」という初心者の方には、必要な道具がすべて揃った金継ぎキットがおすすめです。
【オススメの金継ぎキット】フードセーフ金継ぎキット (HOMEBODY)

主な特徴は、短時間で金継ぎが完了できるように合成樹脂を使う点にあるのですが、使用する合成樹脂はすべて日本の食品衛生基準をクリアした材料を使用しているという点が他の金継ぎキットより優れていると言えます。
かぶれる心配がなく、初心者でも安心して実際の食器に使用できます。扱いが簡単で、短期間での修復が可能です。分かりやすい作業動画も付属しているため、初めて金継ぎにチャレンジする方に大変おすすめです。
金継ぎで修復できる素材・アイテム
金継ぎは、一般的な磁器や陶器だけでなく、さまざまな素材に応用が可能です。
- 陶器・磁器(マグカップ、お皿、急須など)
- ガラス製品(グラス、小鉢など ※専用の下地処理が必要な場合があります)
- 木製品・漆器(汁椀、トレーなど)
お気に入りの器はもちろん、思い出の詰まった大切なアイテムを自分の手で蘇らせることができます。
まとめ:金継ぎのやり方を覚えて、大切な器を蘇らせよう
この記事では、金継ぎの基本的なやり方やコツ、必要な道具について解説しました。
一見難しそうに思える金継ぎですが、正しい手順とポイントさえ押さえれば、初心者の方でも十分に楽しむことができます。時間がかかる本格的な本金継ぎはもちろん、キットを使った簡易金継ぎから始めてみるのも良いでしょう。
ぜひこの記事を参考に金継ぎに挑戦し、物を大切に長く使う楽しさや、日本の伝統文化の深みに触れてみてくださいね。
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