博多人形の修理 合成樹脂でお直し
こんばんはレストーレです!
皆さんは「日本人形」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
”日本”と名が付くことで着物を着ているイメージや行事や伝統文化に関わる
容姿を想像しますよね
なぜそのようなことを聞くのかというと
本日ご紹介する修理が「博多人形」だからです
博多人形とは
その歴史は古く1600年に素焼き人形が生まれたことから始まり、
420年以上続く伝統工芸品なのです
明治にはパリなどの国際博覧会に出展し海外でも高い評価を受けました
バリエーションも幅広く、芸者や武士、歌舞伎、子供、縁起物と様々ございます
日本の技術は世界に誇れるものばかり
そのことを改めて気付かせてくれる作品ですね
では早速、修理をするお品物をご覧ください↓↓↓
修理前の状態
こちらが修理をする博多人形です↓↓↓
髪型は割れしのぶ、立ち姿が美しい美人さんのお人形ですね
修理箇所は手元の部分です↓↓↓
手の部分から手鏡が折れてしまいました
手にもひび割れが見られますね
今回は修理跡が分からないぐらいキレイに仕上げる「合成樹脂直し」でお直しをします
合成樹脂直しとは
適応素材
陶器や置物、美術品などに合成樹脂を用いて修理を行います
修理跡が分からないぐらいキレイにお直しできます
修理後の注意点
普段使いの食器類の場合、合成の樹脂を使用しますためお口に触れる飲食での
ご使用ができなくなります
※普段使いの食器類のお直しは修理後も使用可能な金継ぎでのお直しをご案内しています
作業内容
まずは破片をキレイにします
砂粒状の細かな破片が付いていたり、埃や汚れ油分などを取り除き接着がムラなくしっかりと密着するように下処理をします
次に手鏡と手を合わせます
いきなり接着しない理由は向きやわずかな角度の違いによってとても違和感があるように見えてしまいますのでピタッとハマる場所を見つけます
この時に欠けて無くなっているパーツがあるかどうかや、隙間がどの程度なのかも把握しておきます
もしも足りないパーツがあった場合は複製しますのでご心配ありません
そしていよいよ接着です
破片に樹脂を付けしっかりと密着させます
とても面積が狭い箇所なので注意しながら全集中です!!
修理前の画像にもあったように手鏡を持つ手にもヒビが入ってましたよね?
あのヒビの隙間にも樹脂を充填します
あの繊細な箇所に「充填⇔削る」という作業を繰り返しながら元の形を再現しています
指先まで美しい造形美であるため、少しでも凹凸があれば台無し・・・
そのようなプレッシャーの中、失敗の許されない作業が続きます
地道な作業ですがここまでの完璧な下地作りをすることで
完成度を高めることができます
ピリピリの緊張感の中、無事に接着・成形を終えると次は表面の復元です
凹凸の無い場所への着色は塗り跡を残すことができませんよね
また、同じ色を作ることは大変難しいことなんです
見た目には同じでも乾いたら違った色味になってしまった!なんてことが起きがちです
そして今回のような箇所への着色は色が違ってしまったからと言って安易に塗り重ねることができません
塗料の分の厚みが重なるとお品物の印象を損ねてしまいます
修理箇所だけではなく、全体を見ながら修理は行います
キレイに仕上げるためには技術だけではなく集中力も精神力も情熱も必要です
どのお品物も大変な作業にはなりますが、レストーレに依頼して良かった!と思っていただきたく頑張る職人たちがレストーレには揃っています
では完成をご覧ください↓↓↓
修理後
こちらが完成した博多人形です↓↓↓
手のひび割れも手鏡との接着部分もキレイにお直しできています
見えない部分も同じように修理跡がありません
完成した博多人形を見てみると
着物の質感の表現や髪の生え際やまつ毛の1本1本の線に改めてすごい技術だな~と感動します
これからもこの美しい立ち姿で博多人形の魅力を伝え続けてほしいですね♪
修理・修復なら『レストーレ』へ
物が壊れてしまうということは予期せず訪れます
お気に入りのものが突然違う姿になってしまうことは受け入れがたいことですよね
しかし今回のブログをご覧いただいたことで壊れてしまっても「再生」できると
知っていただけたのではないでしょうか
どんなに激しく破損してしまってもお客様の期待に応えたい!と思うのが
レストーレの職人たちです
元に戻してお返ししたい!喜んでいただきたい!と、思いを込めて仕上げています
だから壊れてしまったものも、お気持ちも、そのままにしないで下さい
当社へは電話やメール、LINEでお問合せができます
梱包できるものなら全国からご依頼が可能ですよ
スタッフがしっかりと聞き取りをしてご要望に合った修理方法をご提案します
今回は陶器のお人形でしたがホームページには修理ができるお品物が掲載されています
機械類と紙製品以外はほとんどが修理可能です
まずはお話だけでも聞かせていただけませんか?
お困りのことは是非「レストーレ」へ!
最後までご覧いただきありがとうございました