リサ・ラーソンを「直して使う」という贅沢。
自分でやる派 vs プロに任せる派、どっちが正解?
自分でやる派 vs プロに任せる派、どっちが正解?
北欧デザインの代名詞とも言えるリサ・ラーソン(LISA LARSON)。その温かみのある陶器作品は、単なるインテリアを超えて、家族の一員のような愛着を感じさせるものです。しかし、ふとした瞬間に欠けたり、割れたりしてしまった時、そのショックは計り知れません。
「もう元には戻らない」とゴミ箱へ入れてしまう前に、少しだけ立ち止まってみませんか? 傷跡さえも愛おしい思い出に変える「直して使う」という選択は、現代におけるもっとも豊かな贅沢かもしれません。本記事では、リサ・ラーソンの作品を愛するすべての人へ、自分で修復する方法からプロに依頼する基準まで、徹底的に解説します。

リサ・ラーソンを「直して使う」ということの価値
スウェーデンをはじめとする北欧諸国には、「良いものを手入れしながら長く使い続ける」という文化が深く根付いています。リサ・ラーソンの陶器を修理することは、単なる修繕作業ではなく、その文化を継承する行為でもあります。
欠けや割れは「作品の新しい物語」
壊れてしまった事実は変えられませんが、それをどう捉えるかは自分次第です。修理の跡は、その作品があなたの生活に寄り添い、愛されてきた証です。例えば、日本の「金継ぎ」のように、あえて傷跡を黄金で彩る手法は、破損を「劣化」ではなく「進化」として捉えます。直すことで、世界にたった一つの「あなただけのリサ・ラーソン」へと生まれ変わるのです。
素材を知ることが修復の第一歩
リサ・ラーソンの作品の多くは陶器(ストーンウェア)で作られています。ヴィンテージ作品は独特の質感と重みがあり、経年変化によって一点一点異なる表情を持っています。一方で、現行の置物やマグカップなどのキッチンウェアは、磁器製のものも多く、それぞれ修復に使用できる材料が異なります。まずは自分の持っているアイテムが「鑑賞用」なのか「実用(食器)」なのかを確認することが大切です。

リサ・ラーソンの世界:なぜ私たちはこれほどまでに惹かれるのか
これほどまでに「直してでも使いたい」と思わせるリサ・ラーソンの魅力は、一体どこにあるのでしょうか。その背景を知ることで、修復へのモチベーションはさらに深まります。
グスタフスベリの黄金時代を築いた才能
1954年、巨匠スティグ・リンドベリに見出され、スウェーデンの名門陶磁器メーカー「グスタフスベリ(GUSTAVSBERG)」に入社したリサ。彼女が生み出したのは、それまでの洗練された北欧モダンとは一線を画す、素朴でユーモラスな動物たちでした。特に「AFRICA」シリーズのライオンや、読書をする少女を描いた「ABC-FLICKOR」は、今やヴィンテージ市場で非常に高い価値を持つマスターピースとなっています。
愛されるキャラクターたち:マイキーからハリネズミまで
リサのデザインは、置物だけでなくイラストの世界でも花開いています。
- 猫のマイキー: 娘ヨハンナとの共作から生まれた、日本で最も有名な猫。赤と白のボーダーが特徴です。
- ハリネズミ: イギー、ピキー、パンキーの3兄弟。丸みを帯びたフォルムは、陶器の質感を最大限に引き出します。
- ブルドッグ・プードル: 犬シリーズも、その独特の表情からコレクターの間で根強い人気を誇ります。
これほど多くの人を魅了してやまないリサ・ラーソンの作品。だからこそ、万が一破損してしまった時、私たちは「諦める」のではなく「修復」という選択肢を真剣に考えるのです。

自分で直す? プロに任せる? 判断基準をチェック
大切な作品を前に、自分で手を出すべきかプロに委ねるべきか。後悔しないための判断基準をまとめました。
セルフ修復(DIY)が向いているケース
- 数ミリ程度の小さな「チップ(欠け)」である。
- 破片が大きく、接着面が単純でパズルのように合わせやすい。
- 「自分で直すプロセス」そのものを楽しみたい。
- 簡易金継ぎなどのクラフトに興味がある。
プロに依頼すべきケース
- ヴィンテージ品で、資産価値を損ないたくない。
- 粉々に割れてしまい、欠損パーツがある。
- 顔(目や鼻)など、作品の「表情」に関わる重要な部分が破損した。
- 修復跡を全く分からないようにする「共直し(接合隠し)」を希望する。
自分で修復する:DIY派のためのガイド
「自分の手で救い出したい」というDIY派の方へ、代表的な3つの手法を紹介します。
1. 陶器用接着剤での簡易修復

最も手軽な方法ですが、実は最も失敗しやすい方法でもあります。市販の瞬間接着剤は一度つけるとやり直しが効きません。ゆっくり硬化する「エポキシ系接着剤」を使い、爪楊枝などで薄く塗るのがコツです。はみ出した分は、硬化前にアルコールなどで慎重に拭き取りましょう。
2. 「金継ぎ(きんつぎ)」で芸術的に蘇らせる

リサ・ラーソンの素朴な土の質感と、金の輝きは驚くほど相性が良いです。最近では、漆(うるし)の代わりに合成樹脂を使用した「簡易金継ぎキット」が人気です。これなら、1日でリサのライオンや猫を美しく彩ることができます。特に、白い陶器に金のラインが入ると、まるで最初からそういうデザインだったかのような高級感が生まれます。
ご自身で修理をされる方へ金継ぎキットの紹介
最近では、初心者の方でも手軽に金継ぎに挑戦できるキットが販売されています。
キットには、必要な材料や道具が揃っているので、便利です。
【オススメの金継ぎキット】
初心者が扱いやすく、食器に使用しても安全な材料で構成されている以下のキットをご紹介します。
フードセーフ金継ぎキット (HOMEBODY)

主な特徴は、短時間で金継ぎが完了できるように合成樹脂を使う点にあるのですが、使用する合成樹脂はすべて食品衛生基準をクリアした材料を使用しているという点が他の金継ぎキットより優れていると言えます。初心者でも安心して食器に使用できます。扱いが簡単で、短期間での修復が可能です。作業動画も付属しており、初めての方におすすめです。
3. エポキシパテによる欠損補填

耳の先や尻尾など、小さなパーツを紛失した場合は、粘土状のパテで形を作り直します。硬化後にヤスリで形を整え、アクリル絵の具で色を塗ります。リサの作品は絶妙なニュアンスカラーが多いため、色合わせ(調色)が最大の難関となります。
プロに任せる:専門業者による高度な修復
「一生モノとして完璧に直したい」なら、迷わずプロの修復師に相談しましょう。プロの技は、素人のDIYとは一線を画します。
美術品レベルの「レストア」
陶磁器修復の専門家は、単に繋ぎ合わせるだけでなく、質感を再現します。例えば、リサのヴィンテージ作品特有の「貫入(ひび割れ模様)」や「釉薬のムラ」まで再現し、どこが壊れていたのか顕微鏡を使わなければ分からないレベルまで戻すことが可能です。
プロによる「本漆金継ぎ」
数ヶ月の時間をかけ、天然の漆を使って直す伝統技法です。時間はかかりますが、強度は非常に高く、食器として再び使うことも可能になります。リサ・ラーソンのマグカップやお皿など、実用アイテムを直したい場合には最も推奨される方法です。
東京世田谷にある修復専門店レストーレで手がけたリサ・ラーソンのグラス金継ぎ修理例


修理を依頼・検討する際のチェックリスト
いざ修理をしようと決めたら、以下のステップで準備を進めましょう。スムーズな見積もりと、納得のいく仕上がりのために不可欠です。
| 項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 破片の確保 | どんなに小さな欠片も捨てずに保管。粉状のものも役立つことがあります。 |
| 写真撮影 | 全体像、破損箇所のアップ、接着面の断面。3パターンあると見積もりが正確になります。 |
| 使用目的の明確化 | 「飾るだけ(観賞用)」か「日常的に使う(実用)」か。 |
| 予算の設定 | 修復費用は、時に新品の購入価格を上回ります。あらかじめ上限を決めておきましょう。 |
まとめ:傷跡さえも「贅沢」なデザインに
リサ・ラーソンの作品は、完璧に整っていることだけが価値ではありません。誰かにプレゼントされた日の喜び、毎日キッチンで眺めていた時間、そして不注意で壊してしまった時の後悔。それらすべての感情を包み込んで「直して使う」という選択は、あなたのライフスタイルをより豊かにしてくれるはずです。
金継ぎで新しい輝きを得たライオン、プロの手で静かに息を吹き返したミア。修復を経て蘇った作品は、以前よりもずっと、あなたにとってかけがえのない存在になっていることでしょう。
リサ・ラーソン修理ならレストーレへ!
「レストーレ」は株式会社M&Iが運営する修復専門店です。2006年創業で東京都世田谷区のウルトラマン商店街に店舗を構えており、日本全国から多数のご依頼を頂戴しております。

レストーレでは単に修理の技術だけでなくお客様のお品への想いを受け止めて作業することを重視しています。近年ではTBS「back stage」や「冒険少年」、日本テレビの「news 「every」や「ヒルナンデス」でもその高い技術が紹介されました。
レストーレではそれぞれのお客様のご要望に適したサービスを提案しており、お品への保険やお品の安全な保管、配送時の梱包の工夫、お品物への保証などサービスの充実に力を入れています。