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陶器修理に使える接着剤とは?

種類や選ぶ際の注意点・使い方を解説


お気に入りのマグカップやお皿、大切な形見の陶器が割れたり欠けたりしてしまったとき、「もう使えない」と諦めて捨てていませんか?

実は、適切な接着剤を選び、正しい方法で修復すれば、愛着のある陶器を自分の手でもう一度蘇らせることができます。しかし、市販の接着剤にはさまざまな種類があり、「どれを選べば安全に、きれいに直せるのかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。特に、口に触れる食器の修理には注意が必要です。

本記事では、陶器修理に使える接着剤の種類や選び方の注意点、きれいに仕上げる使い方のコツまでを徹底解説します。


陶器修理に使える接着剤の種類

陶器の「割れ」や「欠け」を修復するための接着剤には、いくつかの代表的な種類があります。それぞれ強度や硬化スピード、仕上がりの特徴が異なるため、状態に合わせて使い分けることが大切です。

エポキシ系接着剤

陶器修理において最もおすすめで、一般的に広く使われているのが「エポキシ系接着剤」です。主剤と硬化剤の2つの液体を混ぜ合わせて使用するタイプが主流です。

  • 特徴: 隙間を埋める能力(肉盛り性)が非常に高く、陶器が細かく欠けてしまった部分の修復にも向いています。硬化後は非常に硬くなり、耐久性や耐水性に優れているのがメリットです。
  • 仕上がり: 透明なものが多く、はみ出しても目立ちにくいです。

瞬間接着剤(シアノアクリレート系)

「今すぐ直したい」「断面がピッタリと合っていて欠けがない」という場合には、瞬間接着剤が便利です。

  • 特徴: 数秒から数分で強力に接着できるため、パーツを手で固定し続けるストレスがありません。
  • 注意点: 衝撃に弱く、水に長時間さらされると剥がれやすくなる性質があります。また、隙間を埋める力(肉盛り性)はないため、断面に少しでもズレや欠けがあると、うまく接着できないことがあります。

シリコーン系接着剤

ゴムのように弾力性を持って固まるタイプの接着剤です。

  • 特徴: 硬化後も柔軟性があるため、振動や衝撃に強いというメリットがあります。また、耐水性や耐熱性に優れている製品が多いのも特徴です。
  • 注意点: 接着力がエポキシ系に比べるとやや劣る場合があり、カチッと固めたい陶器の割れよりは、目地や特定の隙間を埋めるような補修に向いています。

陶器修理用の接着剤を選ぶ際の注意点

陶器の接着剤を選ぶ際は、単に「くっつくかどうか」だけでなく、「その陶器をその後どう使うか」を考えることが非常に重要です。以下の注意点を必ずチェックしましょう。

1. 食器やマグカップには「食品衛生法適合」か「金継ぎ」を

修理する陶器が、お皿やマグカップなど「直接口に触れるもの」や「食品をのせるもの」である場合、最も注意が必要です。

重要な注意点
一般的な工業用・工作用の接着剤の多くには、化学物質が含まれており、口に入ると有害な場合があります。

  • 対策: パッケージに「食品衛生法適合」や「食器の修理用」と明記されている安全な接着剤を選んでください。
  • 本格的な修復を望むなら: 完全に安全性を確保しつつ、美しく修復したい場合は、日本の伝統技法である「金継ぎ(きんつぎ)」がおすすめです。本漆(ほんうるし)を使った金継ぎであれば、天然素材のみで修復するため、食器としても100%安全に使用できます。

ご自身で修理をされる方へ金継ぎキットの紹介

最近では、初心者の方でも手軽に金継ぎに挑戦できるキットが販売されています。
キットには、必要な材料や道具が揃っているので、便利です。

【オススメの金継ぎキット】

初心者が扱いやすく、食器に使用しても安全な材料で構成されている以下のキットをご紹介します。
フードセーフ金継ぎキット (HOMEBODY)

主な特徴は、短時間で金継ぎが完了できるように合成樹脂を使う点にあるのですが、使用する合成樹脂はすべて食品衛生基準をクリアした材料を使用しているという点が他の金継ぎキットより優れていると言えます。初心者でも安心して食器に使用できます。扱いが簡単で、短期間での修復が可能です。作業動画も付属しており、初めての方におすすめです。

2. 耐熱性と耐水性を確認する

修理した陶器をその後も日常的に洗ったり、温かい飲み物を入れたりする場合は、耐水性・耐熱性が必須です。

  • 日常使いの器: 熱湯を注ぐマグカップや、スープ皿などの修復には「耐熱温度100℃以上」などの記載があるものを選びましょう。
  • 電子レンジ・食洗機の使用: 接着剤で修理した陶器は、基本的に電子レンジや食器洗い乾燥機の使用はNGとなるケースがほとんどです。どうしても使用したい場合は、耐熱・耐水スペックが極めて高い専用の補修材を選ぶ必要がありますが、基本的には手洗いを推奨します。

3. 「割れ」か「欠け」かで選ぶ

陶器の破損状態によって、適した接着剤の性質が異なります。

  • パッカリきれいに割れた場合: 断面が一致するため、接着層が薄くて済む「瞬間接着剤」や、粘度の低い「エポキシ接着剤」が適しています。
  • 破片が粉々、または一部が欠けている場合: 隙間を埋める必要があるため、厚みを持たせられる「パテ状のエポキシ接着剤」や、粘度の高いエポキシ系が必須となります。

陶器修理での接着剤の使い方

接着剤を使って陶器をきれいに、そして頑丈に修復するための基本的な手順とコツを解説します。今回は、最も一般的な「2液混合型エポキシ接着剤」を例にご紹介します。

基本的な修復手順

手順作業内容ポイント
1. 洗浄と乾燥接着面の汚れや油分、ほこりをきれいに洗い流し、完全に乾燥させる。油分が残っていると接着力が著しく低下します。アルコールで拭き取るのも効果的です。
2. 仮組み(フィッティング)接着剤をつける前に、破片を一度合わせてみて、パズルを合わせるように正しい位置を確認する。順番を間違えると最後まではまらなくなることがあります。
3. 接着剤の準備A剤とB剤を等量等倍で出し、ムラがなくなるまでしっかり混ぜ合わせる。混ぜ方が不十分だと、固まらない(硬化不良)の原因になります。
4. 塗布と圧着接着面の両方に薄く均一に接着剤を塗り、破片同士を強く押し合わせる。接着剤がはみ出るくらい、隙間なく密着させるのがコツです。
5. はみ出しの処理はみ出た余分な接着剤を、半硬化(少し固まってきた状態)のときにカッターやアルコールで拭き取る。完全にカチカチに固まった後だと、削り落とすのが難しくなります。
6. 固定と乾燥マスキングテープなどで破片がズレないように固定し、取扱説明書に記載された時間(通常24時間以上)放置する。完全に硬化するまでは、絶対に触ったり力を加えたりしないでください。

陶器修理をお考えの方へ

お気に入りの陶器が割れてしまっても、市販の接着剤を正しく選んで丁寧に作業すれば、自分の手で修復することが可能です。まずは「その器がディスプレイ用か、それとも食器として使うのか」を確認し、安全な接着剤を選んで修復にチャレンジしてみてください。

しかし、以下のような場合は、無理にDIYせずプロの修復業者への依頼を検討することをおすすめします。

  • 大切な形見や、高価な美術品・アンティークの陶器である場合
  • 粉々に割れてしまい、自分の手では修復が不可能な状態の場合
  • お気に入りの食器なので、安全かつ美しく「金継ぎ」で直したい場合

プロの技術による修復(レストア)や伝統的な金継ぎなら、傷跡をあえて美しく引き立たせたり、修復跡がほとんどわからないレベルにまで元通りに仕上げたりすることができます。あなたの大切な思い出が詰まった陶器を、もう一度長く愛せる形に修復してみてはいかがでしょうか。

陶器修理はレストーレへ!

実際にレストーレで手がけた陶器の修復例

お皿の金継ぎ修復

カエルのペーパーホルダー修復

「レストーレ」は株式会社M&Iが運営する修復専門店です。2006年創業で東京都世田谷区のウルトラマン商店街に店舗を構えており、日本全国から多数のご依頼を頂戴しております。


レストーレでは単に修理の技術だけでなくお客様のお品への想いを受け止めて作業することを重視しています。近年ではTBS「back stage」や「冒険少年」、日本テレビの「news 「every」や「ヒルナンデス」でもその高い技術が紹介されました。

レストーレではそれぞれのお客様のご要望に適したサービスを提案しており、お品への保険やお品の安全な保管、配送時の梱包の工夫、お品物への保証などサービスの充実に力を入れています。