
お店の看板カエル 修理
クイックリペアでお直し
今回は、王冠をかぶったカエルの置物の修理のご依頼を承りました。ちょこんと足を組んで座る愛嬌のあるポーズと、頭にのせた金色の王冠がとても印象的な、お庭を彩るガーデンオーナメントです。
お話を伺うと、こちらは店先に置かれている「お店の店番カエル」なのだそうです。お店の入り口でお客様を出迎え、長年愛されてきたお品物とのこと。存在感のある大きなお品物で、長年その場所で来客を見守ってきたのだろうな、ということが伝わってくる一体でした。今回は「クイックリペア」という技法で修理を進めていきます。クイックリペアは修理跡が残る修理ではありますが、実際にどこまで自然な仕上がりにできるのか、工程とあわせてご紹介していきます。
ガーデンオーナメントは屋外に置かれることが多く、風雨や気温の変化、ちょっとした接触など、室内の置物以上に破損のリスクにさらされています。お店の看板カエルとして、長年の使用でどこかに強い衝撃が加わってしまったのだろうと思われる状態でした。
修理前の状態

お預かりした際の状態がこちらです。
足元の大きなパーツが根元から折れて外れてしまっており、断面には小さな欠片も複数散らばっている状態でした。さらに、お腹から背中にかけて一本の大きなヒビが入っており、こちらも放置すると欠落してしまう恐れがある状態でした。

今回のように「大きなパーツの脱落」と「広範囲のヒビ」が同時に発生しているケースは、それぞれ異なるアプローチが必要になります。まずは全体の破損状況をしっかりと把握し、どの順番で修理を進めれば一番安定した仕上がりになるかを見極めることから始めました。

クイックリペアとは
クイックリペアとは、形状の復元を主な目的とした修理方法のため修理跡が残ります。修理跡がほとんどわからないほど精巧に仕上げる「マイスターリペア」に比べて、短期間・低コストで対応できる点が大きなメリットです。跡が残るとはいえ、少し張られた場所から見れば元の破損状態はパッと見分からないように仕上げていきます。今回はその点にもこだわりながら作業を進めました。
クイックリペアの使用上の注意
クイックリペアで補修した箇所は、雨風が常に直接当たり続けるような環境に出しっぱなしにしてしまうと、経年劣化が早まってしまう可能性があります。逆に言えば、軒下に置いている、天候の悪い日だけ屋内にしまう、といった使い方であれば問題なくご使用いただけます。今回の店番カエルも、店先という場所柄ではありますが、日頃からそのように扱っていただいているとのことでしたので、クイックリペアでも安心してお選びいただけると判断し、ご案内しました。
作業内容
今回の修理は、破片の接着・大きなパーツの補強・欠損の充填・研磨と着色という4つの工程で進めていきました。
1. 破片の接着

まずは、断面に残っていた小さな破片を一つひとつ接着していきます。接着の順番を間違えると後の工程がうまくいかなくなるため、パーツの位置関係を確認しながら丁寧に貼り合わせていきました。
2. 裏面からの補強と大きなパーツの接着

足の部分は特に大きなパーツだったため、接着剤だけで固定すると、置物としての重さや衝撃に耐えられず再び外れてしまう可能性があります。そこで、表からは見えない裏面側からも補強を入れながら、大きなパーツをしっかりと接着しました。見た目には表れない工程ですが、今後長く安心して飾っていただくためには欠かせない作業です。
屋外に置くガーデンオーナメントは、薄いレジンで作られたものも多く見受けれられます。再破損しないように、表面の見た目を整えることと同じくらい、内側からの強度をどう確保するかが、長く安心して飾っていただくための重要なポイントになります。
3. 欠損部分の充填

接着だけでは埋まらない、パーツが足りない箇所にはパテを充填していきます。周囲の丸みや厚みに合わせて少しずつ盛り付け、置物本来の立体的なフォルムを崩さないよう調整しながら形を作り上げていきました。
4. 研磨・着色仕上げ

充填が終わったら、表面を丁寧に研磨し、指で触れても段差を感じない滑らかな状態に整えます。最後に、周囲の色味や質感に合わせて着色を行い、修理箇所が浮いて見えないよう馴染ませていきました。
修理後

無事に修復が完了しました。外れていた足もしっかりと安定した状態で戻り、背中のヒビも跡が目立たないところまで仕上がりました。クイックリペアは修理跡が残りやすい技法ではありますが、こうして丁寧に工程を重ねることで、パッと見ただけでは修理箇所がどこか分からないくらいまで仕上げることができます。お客様にも「破損したものとは思えないほど完璧な仕上がり」と大変喜んでいただけました。


「クイックリペアだから跡が残ってしまうのでは」と心配される方も多いのですが、まずは仕上がりのイメージや納期、ご予算を含めてご相談いただければと思います。


修理・修復なら『レストーレ』
レストーレではマグカップをはじめ、陶器や建材、アンティーク家具、美術品など様々なジャンルの修理・修復に対応しております。今回ご紹介したガーデンオーナメントのような大型の置物の修理も承っております。
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